常に目的を確認するようにしています。
ヒアリングする際に、何のために運用（保険に加入）するのか、いつまでにいくらあると安心なのかをお聞きし、その方のご意向に沿った提案をするように心がけています。
資産運用の場合は、値動きがあることを理解して始めたとしても、相場の変動によってリアルな下落を目の当たりにすると不安になる方も少なくありません。フォローの際にも、何のために運用を始めたのか、という目的を再確認していただくことを大切にしています。

当時、担当していたお付き合いの長いお客様のご家族で相続が発生したことがきっかけです。
「相続って何からしたらいいの？」「こんな保険が出てきたけどどんなもの？」と頼っていただいたにもかかわらず、目の前のお客様に何ひとつお答えすることができなかった時に無力さを感じました。自分自身が窓口となり、基本的なことをお伝えすることができればお客様の負担を減らせたのではないか、そう思いました。
証券会社では、お客様の資産を増やすために活動していたので、お金を増やすことだけがすべてではない、と感じたことで保険や相続の知識を持ったうえでアドバイスができるIFAになろうと決めました。

提案の幅の狭さや偏りがあると感じています。
保険会社であれば、取り扱う商品は保険だけなので、運用目的で相談すると選択肢は基本的に保険のみになります。保険での運用は、保険会社への手数料や死亡保障に充当する部分以外が運用されるため、運用効率が良いとは言えません。
一方、証券会社で取り扱う投資信託や債券では、お客様の身に万が一があっても本人や家族に保険として残すことはできません。銀行では、保険も投資信託も提案できますが、預金額の範囲での提案となっている印象があり、「全体資産を聞かれたことがない」とおっしゃるお客様も少なくありません。
IFAは資産運用だけに留まらず、社会保障制度や相続などの知識を土台に保険と証券のバランス良く提案することが求められています。私たちがモデルケースとなり、他企業で勉強会を行うなどし業界の質の向上に寄与したいと考えています。