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保険と資産運用の違いとは?

「保険」は不要?

「保険」と聞いて、皆さんはどのようなイメージを思い浮かべますか?
「安心」「安全」といったポジティブなイメージの方もいらっしゃるでしょうし、「無駄」「不要」といったネガティブなイメージの方もいらっしゃるかもしれません。

保険にもいろいろ種類があり、目的によって加入する保険の種類も変わりますが、保障ではなく、資産運用を主目的とした保険商品が保険会社はもとより、保険代理店や銀行、証券会社などでも販売されています。

資産運用といえば、NISA、iDeCoといった制度も認知度が高くなってきており、それ以外にも不動産投資など、保険はあらゆる資産運用の手段と比較されて語られることがあります。

申し遅れましたが、私は2008年から保険を主軸としたコンサルタントとして9年ほど活動したのちに、現在はIFAという立場で、保険だけでなく、証券会社が取り扱う金融商品(投資信託やファンドラップ、債券など)に関するアドバイスを7年ほど行っています。
また、プライベートでは不動産投資を7年ほど経験するなど、世の中のありとあらゆる資産運用にチャレンジし、今も実践しています。

世の中のメディアを拝見すると、保険について極端に「善か?悪か?」で語られているケースも多く見受けられます。
ただ、保険と証券、両方の業界にそれなりに足を踏み込んで実務をしてきた私の経験や立場からすると、そういった議論に違和感を抱くこともしばしばあります。

商品のスペックや数字の優劣がすべてではない

保険と証券、どちらの世界でも感じることなのですが、偏りのある一面的な商品のスペックや単純な数字の優劣だけで語られることが多い印象です。

私は全国のおよそ2,000名のクライアントを担当していますが、十人十色、ひとそれぞれ育った環境や人生の価値観も違えば、家族構成、収支状況、資産状況など、当然ながらまったく違います。
思い描くライフプランも違うでしょうし、そもそもライフプラン通りに人生を歩めることの方が少なく、想定外のライフイベントに遭遇することの方が一般的です。

資産運用という観点でも、必ずこれが正しいという正解はなく、人それぞれに正解があると考えます。

たとえば、米国のマゼランファンドという投資信託があります。
ピーターリンチという伝説的なファンドマネージャーが運用を指揮していた13年間で年率およそ29%の驚異的な利回りをたたき出した金融商品です。
もし1,000万円を13年間ほったらかしていたら、およそ2億7,000万円になっている計算になります。
そんな金融商品なら、だれもが報われてハッピーになっている想像するかもしれませんが、実はこのマゼランファンドを購入したひとの7割近くが損失を出していたいわれています。

なぜなのでしょうか。
行動経済学でも語られていることですが、人間はいろいろなバイアスが邪魔をし、投資判断においても、非合理的な行動を取りがちと言われます。
マゼランファンドの事例でも、短期的な相場変動に惑わされ、短期売買を繰り返すなど、長期投資を実践できなかったひとが多かったことが要因と言われています。

表面的な数字だけで判断されれば、マゼランファンドはピカイチの実績だったかもしれませんが、それに投資する人の性格や投資に対する理解度はもちろんのこと、先に述べたようなライフプランや今の状況によって、その評価や見え方はまったく変わってきます。

一方、保険は契約するときまでは、あれこれ比較検討して熟考する方が多いですが、契約後は心理的に一安心なのか、その後は丁寧に進捗を追っていくことは比較的少ない印象です。
保険の特性上、契約当初は解約控除が発生するなど、長期が前提の契約になっているというのもありますが、心理的にも長期投資が実践されやすい金融商品なのかもしれません。

先に述べたように私はありとあらゆる資産運用の手段をトライしてきましたし、相談業務のなかで多くの事例を拝見してきましたが、詐欺のものは別として、それぞれメリット、デメリットがあるのは当然で、極端に善悪は判断できないと考えています。

流行りやまわりに流されない

保険でも資産運用でも、重要なのは「どの商品にするのか?」ではなく、まずは自分の現状を十分に把握し、分析することがもっとも重要なのではないでしょうか。

米国では、お金の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)は、医師や弁護士と並ぶほど社会的な地位が高い専門職といわれています。商品のスペックや単純な数字の優劣の情報だけなら、インターネットやAIでも解決できますが、ひとりひとりのお金の問題はそれほど単純ではなく、専門性が必要ということなのでしょう。

弊社では資産運用、保険、住宅ローン、不動産など、お金に関する問題を解決する手段を幅広く取り揃えていますが、そういった商品やサービスのご提供以前に、ご相談者の方のことを深く理解するためのヒアリングや分析のための時間に重きをおいています。

ご自身にぴったりな資産運用とは果たして何なのか、流行りやまわりに流されるのではなく、足元からじっくりと幅広い選択肢から検討していくことをお勧めします。

シニアマネジャー
ブロードマインド株式会社
氏家 大輔

2008年よりブロードマインド株式会社。担当するクライアントは全国に約2000名。「資産運用」、「保険」、「住宅ローン」、「相続」などのテーマで、セミナー講師としても数百件の登壇実績。2016年よりIFA登録。2017年より当社IFA事業部門の責任者として、マネジメント業務を行う一方、現場の一線でも活動。金・プラチナ、日本株式、米国株式、ETF、REIT、 FX、オフショアファンド、投資信託、ファンドラップ、ロボアド、不動産、暗号資産(仮想通貨)などあらゆる資産運用経験あり。自らを実験台と位置づけ、実体験にもとづいたアドバイスを信条とする。

ブロードマインド株式会社
金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第424号
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-5-5 JR恵比寿ビル7F

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