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COLUMN コラム

富裕層ファミリーをご担当させていただくために

私自身の本心を「常に」お伝えする

何を当たり前のことを書いているのか、と思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかしこれは一生ご担当させていただくアドバイザーとしては必須の要件であると私は思っております。「常に」本心を伝えてくれない担当者をずっと信頼し続けるということは、お客さまにとっては無理な話ではないでしょうか?

一方で本心を「常に」お伝えすることは、アドバイザーと言うよりはすべての営業パーソンにとって難しい問題ではないでしょうか?なぜなら、営業は原則的には自社の販売する商品を「常に」提案し続けてこそ、利益が生まれるビジネスモデルである一方で、お客様にとっては私たちの販売する商品が「常に」にニーズに合致するとは限らないからです。

さらに営業が販売する商品の中で、金融商品はもっとも難しい部分を含んでいると思っております。それは商品を買っていただいたとしても、すぐにお客様に価値をご提供出来るというものではなく、お客様が期待した結果、つまり金融商品が値上がりする必要があるということです。

例えば車の営業パーソンが、100%自分の成績のことだけを考えてお客様に自社の車を、様々なセールストークを駆使して買っていただいたとします。本心は伝えず、100%営業側のことしか考えておりません。しかし確実に言えることは、お客様は車を購入することで車の大切な「移動すること」という価値を提供されているということです。

お客様からは、本当はファミリー用が良かった、ハイブリッドの方がよかった、など様々な不満は出てくるかもしれませんが、それでも車の大きな価値である「移動すること」とお金の交換は成立しているわけです。

一方で金融商品はどうでしょうか?お客様に株式を買っていただいたとして、その瞬間お金と株式の交換は行われています。しかしお客様にとって株式を受けとった価値とはなんでしょうか?私はその瞬間には新たな価値は何も生まれていないと考えています。

お客様にとっての新たな価値は、例えば半年保有して配当を受け取る、あるいは中長期で保有して利益が出ること、によって実現されるものだと考えています。つまり有価証券の場合はそれを購入した瞬間には何の新たな価値提供はなされず、値上がりという要素を通じてこそ、その価値が提供されるものだと考えております。

つまり有価証券においては車のように、購入すればいつでも価値が提供されるわけではなく、安く買って値上がりすることが必要だということです。言い換えますと、購入タイミングが重要だと私は考えています。その一方で、その価値をご提供する際に障害となりうるのが、組織としての目標です。

ただでさえマーケットのことは誰にもわかりません。誰も分からないものを予想するにあたって、アドバイザーの所属する組織が今月中にこれだけの手数料を組織としてあげなければならない、とアドバイザーに課したとするとどうなるでしょうか?

営利組織であれば当然の目標は、ただでさえ予想が難しい金融商品に、さらなる条件をアドバイザーに課します。こういったしがらみが増えれば増えるほど、アドバイザーは「常に」本心でご提案をすることが難しくなり、不必要なタイミングでの商品提案が行われる可能性が高まると思います。

だからこそ私自身は、本心を「常に」お伝えするために、出来る限り組織とのしがらみを絶ち、お客様と向き合っていきたいと考えております。

まずお客さまのことを考えることのできる手数料体系

先ほども述べましたように、私は組織に属さずお客様と向き合うことの出来る働き方は素晴らしいと思っております。しかし組織に属さないIFAだからといって、必ずお客様のことだけを考えて本心でご提案が出来る状況にあるかというと、そうだとは思っておりません。なぜなら基本的にIFAの収入はお客様からの手数料に依存しているからです。

私の持論ですが、多くのIFAや証券会社で今でも中心的な手数料体系である、売買の都度手数料をいただくモデルだと、どうしてもお客様の資産を売買して手数料をいただきたいというモチベーションが担当者に芽生えてしまうことを否定出来ないと考えております。

なぜならお客様が全く売買を行わず同じ商品を保有されると、アドバイザーへの収入はゼロになってしまう場合があるからです。長い期間手数料をいただけなければお客様との関係も疎遠になってしまいますし、それはお客様にとっても好ましいことだとは思えません。

一方でお客様をご担当させていただくことでアドバイザーがご提供出来る価値というのは常にあると思っております。基本的なものですと、相場に対する見通しのご提供、アドバイザーの知見に基づいた商品提案、ポートフォリオ管理などです。

お客様にそのような価値を継続的にご提供しながらも、お客様のことだけを考えたご担当が出来ないものかと、私がたどり着いた一つの答えが、お預かり資産に応じた残高フィーを頂戴する楽天証券の「管理口座コース」という手数料モデルです。

これはIFA口座専用に導入された仕組みで、口座残高合計の1%(税別)を手数料(残高フィー)として頂戴し、株式・投信・債券の売買についての手数料は無料またはごくわずかというサービスです。

売買をすることで担当者に手数料が発生することはなく、値上がりやお客様のご入金によって資産残高が増えることでIFAの手数料も増えるため、お客様とアドバイザーのベクトルを一致させることが出来ると考えています。このようなメリットに共感いただき、現在は半数以上のお客さまに管理口座コースをご利用いただき、資産運用のアドバイスを行っております。

アドバイザーに万が一のあった場合の備え

今回のコラムの終わりに私がIFAとしてもう一つ、大切にしていることについてお伝えさせていただきます。それは絶対に中途半端な担当者にはならないということです。ご担当させていただくのであれば、IFAビジネスに全身全霊を注ぎ、ご信頼頂いたお客さま一世帯一世帯と向き合って参りたいと考えております。

ですから例えば、IFA業務の傍らで全く別のビジネスを行うということは念頭になく、出来る限りの時間をお客様へのサービスのご提供・情報収集のために費やしたいと考えております。

一方で可能性としては小さいですが私が大病を患ってしまったり、万が一のことがあった場合に、お客様にサービスのご提供が継続出来ない事態も想定しておかなければならないと考えております。

そういった際のお客様へのマイナスの影響を出来るだけ少なくしたいという思いから、ファミリーでお客様をご担当させていただいております。パートナーである妻も野村證券で働いていた経験を持ち、今でも個別株で自身の運用を行う投資好きのアドバイザーです。
お客様と家族ぐるみでお付き合いをさせていただくことで、 私が一時的に病気やケガで離脱した場合や万一があった際には、パートナーである妻も担当者としてすぐに対応することができます。

最後に、私は1世帯1世帯のお客様にしっかりコミットして、生涯伴走できる資産アドバイザーとして活動していきたいと思っています。少しでもお客様のお金の悩みを解決したいと1アドバイザーとして願っています。

金融資産1億円以上の富裕層の方々に対し、債券を含めたポートフォリオのご提案を中心とした資産運用アドバイスに従事。2007年野村證券入社。2011年シンガポール経営大学院に社費留学し、海外富裕層ビジネスを研究。2012年東京にて富裕層向けプライベートバンキング業務に従事。2013年三菱UFJメリルリンチPB証券入社、富裕層向け資産運用アドバイスに従事。2019年ファイナンシャルアドバイザーとして独立。2021年甲南大学経営大学院(MBAコース)卒業。 2023年から関西の私立大学の非常勤講師としてライフプランニングと投資教育担当。定期的に富裕層のお悩みにお応えするWeb個別セミナーを開催。

株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル
金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第314号
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