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2024/10/11
IFA(ファイナンシャル・アドバイザー)と金融機関のアドバイザーの違いとは?働く側の視点で解説
ヴァスト・キュルチュール株式会社
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目次
IFA(ファイナンシャル・アドバイザー)は、顧客の資産形成をサポートし、長期的に信頼関係を築くことが求められる職業です。では、実際に活動しているIFAは、どのような資格を取得して、どのようなスキルを高めているのでしょうか?
本記事では、IFAになるための資格、実際に求められるスキル、そしてIFAの働き方について詳しく解説します。
IFAになるには、外務員(一種、または二種)の資格が必要となります。また、金融商品仲介業者を設立することや、既存のIFA法人に所属することによって、IFAとして活動しています。
外務員資格とは、IFAとして証券会社や銀行などの金融商品を取り扱う際の必須資格です。外務員として働くためには、金融庁が定める外務員登録原簿に外務員として登録しなければなりません。
資格取得には日本証券業協会が提供する試験を受け、合格後に正式な登録が完了します。資格の合格率は比較的高いものの、しっかりとした準備が必要です。
外務員資格には一種と二種が存在し、一種外務員資格ではより高度な金融商品(デリバティブや複雑な金融商品)などの取扱いが可能になります。
法人として活動する場合は、最低2名以上の二種外務員資格保持者が必要であり、組織としての運営がスムーズに行われるためには、資格保有者を維持しなければなりません。万が一資格保有者が減少した場合、金融機関との契約が存続しなくなるリスクもあり、定期的な研修や更新手続きも必要です。
個人または法人のいずれかにおいて金融商品仲介業者を設立することによって、IFAとして活動することが可能です。金融商品仲介業者として独立するには、財務局への申請手続きが必要になります。また、証券会社などの金融商品取引業者と業務委託契約を結び、外務員登録を行うことによって、金融商品の媒介などを行うことができます。
個人での登録と法人での登録では要件に違いがあり、法人の場合は追加で外務員資格保有者や内部管理責任者の配置、従業員数の人数が求められます。これらの手続きを完了するまでに半年程度かかることが多いため、時間の余裕を持った準備が大切になります。
既存のIFA法人に、所属して活動することも可能です。IFA法人に所属するIFAは顧客に対して、法人が提携している証券会社などの商品売買を仲介するのが主な仕事となります。
そのため、法人への所属を検討する際には、各法人の企業理念や方針をはじめ、提携している金融機関の情報などを確認し、自分に合った法人を選ぶことが大切です。
IFAになるためには、個人として活動する場合と、法人に所属して活動する場合とでは大きく異なります。
個人で金融商品仲介業者を設立する場合、手続きや顧客対応をすべて自分で管理する必要があります。特に、法人を設立して活動する場合は、従業員数や管理体制の整備が求められ、規模によって業務の運営方法にも影響が出ます。さらにIFA業務を行うには、内部管理責任者や複数の資格保有者を配置し、適切なチームを構築することが重要になります。
一方で、法人に所属する場合は、既存の管理体制やサポートを活用できるため、より迅速に業務を開始することが可能です。どちらの方法を選択するかは、IFAとしてのキャリア設計や働き方のビジョンによって異なります。
IFAの働き方には多様な選択肢があり、長期的に顧客と向き合いながら働ける点が大きな魅力です。
ただ、金融商品仲介業者として証券会社などと提携して活動するため、提案できる商品には一定の制約があります。
ここでは、IFAの働き方や業務範囲について詳しく解説します。
IFAは高い独立性を持ち、原則として転勤がないため、同じ顧客と長期的に向き合うことができます。顧客に寄り添い、信頼関係を築きながら、家族や友人などの紹介によって顧客ネットワークが広がることも多いです。
さらに、ワーク・ライフ・バランスが整った働き方が可能で、時間の融通が利くため、育児中の女性や柔軟な働き方を希望する人々にとって魅力的なキャリアパスとなっています。
IFAの働き方は非常に柔軟で、法人によってはワーク・ライフ・バランスを重視した環境が整えられています。子育てや家庭の事情に応じて勤務形態を変更できるため、仕事とプライベートの両立が可能で、長期的に安定したキャリアを築くことができます。
そのため、出産や育児を経てキャリアを続けたい女性にとって、時間や働くペースをライフスタイルに合わせて調整できることは大きな魅力となっています。
金融商品仲介業者は、証券会社や銀行など特定の金融機関と提携して業務を行います。そのため、提案できる金融商品が提携先の金融機関に依存することを意味しています。
提携先の制約を十分に理解しながら、顧客のニーズに合った最適な商品を提案することがIFAに求められる重要な役割です。また、複数の金融機関と提携することで、取り扱い商品を増やす選択肢もあります。
IFAとしてのキャリアは、長期的に安定した成長が期待できる分野です。特に、日本では資産運用ニーズの高まりや、個別対応を求める顧客の増加により、IFAの役割はますます重要になっています。
IFAとして活躍するには、スキルアップや資格の維持、そして顧客との信頼関係の構築が欠かせません。さらに、独立後は自分のペースでビジネスを拡大でき、地域密着型のサービスを提供することで、顧客からの信頼を長期的に得られる点もIFAの魅力です。
IFAは、金融の専門知識に加え、顧客と長期的な信頼関係を築くスキルが不可欠です。
顧客のニーズを深く理解し、適切な金融商品を提案するためには、豊富な経験と知識が重要です。また、顧客サポートにおいては、常に最新の金融情報を把握し、的確なアドバイスを提供する能力が求められます。
ここでは、IFAに求められる具体的なスキルと経験について説明します。
IFAにとって、顧客との信頼関係を築くことは極めて重要です。長期にわたって資産管理をサポートするためには、顧客のニーズを正確に把握し、適切な提案を行うコミュニケーション能力が求められます。
特に、信頼を深めるためには、顧客の目標や要望を共有し、誠実かつ継続的な対応を心がけることが必要です。これにより、顧客との強固な関係を築き、長期的なサポートを提供できます。
IFAは、顧客に株式、投資信託など幅広い金融商品を提案するため、包括的な金融知識が不可欠です。さらに、顧客の資産を守るためには、コンプライアンスに基づいた助言が求められます。
そのため、金融法規の遵守と高い倫理観を持つことが、顧客の信頼を得るための鍵となります。IFAとして活躍するには、専門的な知識と誠実な対応を通じて、顧客との長期的な関係を構築する姿勢が大切なのです。
IFAは独立した立場で業務を行うため、自己管理能力が求められます。クライアントとのアポイント調整、提案内容の準備に加え、スキルアップや資格維持など、自己管理が求められる範囲は多岐にわたります。
また、独立したファイナンシャルアドバイザーとして成功するには、高い独立性と責任感を持ち、顧客の信頼を得て長期的な関係を築くことが欠かせません。
本記事では、IFAになるために必要な資格や登録手続き、求められるスキルや働き方について詳しく解説しました。
IFAは、外務員資格(一種、または二種)や金融商品仲介業者としての登録を経て、顧客に最適な資産運用の提案を行います。柔軟な働き方と専門知識を活かして、顧客に最適な資産運用の提案を行います。顧客との長期的な信頼関係を築くことで、個々のニーズに応じた対応が可能です。
IFAに相談することで、将来の目標に向けた計画を着実に進め、アドバイスを受けながら資産運用を進めていくことができるのです。
【著者】
楽天証券株式会社
IFAサービスサイト
コラム編集チーム
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